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(38) 一般化リンク型学習を用いたアイヌ語− 日本語名詞対訳語の自動抽出手法
   平成15年度電気関係学会北海道支部連合大会講演論文集, pp.355-356, 2003-10

対訳コーパスより知識を自動抽出する研究が盛んに行われている.そして,それらの研究は原言語,目的言語共に同レベルの解析結果の使用を前提としている.しかし,常にどのような言語間においても容易に同レベルの解析結果を利用できるとは限らない.また,大規模な対訳コーパスを得られるとも限らない.アイヌ語−日本語の対訳コーパスから対訳語を抽出する際には,日本語の形態素解析と構文解析の結果の利用は比較的容易であると考えられるが,アイヌ語において同じような言語知識を得ることは,我々の知る限りにおいては困難である.膨大な対訳コーパスを得ることもまた困難である.我々は従来より,学習の観点から対訳コーパスより翻訳知識を連鎖的に自動獲得するための研究を行っている.しかし,これまでは,連鎖的な獲得処理を行う際に,処理の起点となる翻訳知識を他の手法で獲得するか,もしくは,明示的に与える必要があった.そこで,我々は,起点となる知識に対しても統一的な枠組みで獲得可能な,より一般化された学習手法を提案する.本稿では,両言語間での同等な解析結果の利用と大規模な対訳コーパスの使用を前提とすることなく名詞対訳語を自動抽出可能な,一般化リンク型学習を用いたアイヌ語−日本語名詞対訳語の自動抽出手法について述べる.

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