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(30) 幾何学的な摂動を含む3 次元声道モデルの音響解析法
   第22回ファジィシステムシンポジウム講演論文集,pp.11-14,2006-9

 MRI などの利用により3次元声道の音響解析が近年進められている.従来から用いられている1次元線路(音響管)モデルは構成が簡単であるが,声道の微細構造に起因する音響特性を表現することができず,4kHz 程度までが適用限界となっている.1次元線路モデルを拡張し,エバネッセントモードを含む高次モードを取り入れることで,矩形音響管の縦続接続により構成された音響管内部の3次元音場を解析する方法が提案されている.この方法では,声道断面を矩形で近似するために3次元形状表現の柔軟さは小さいものの,モデルの構成が容易で高速な計算が可能であり,ある程度の3次元的音響特徴を高い周波数域まで求めることができる.本報告では,声道断面の変形をモデルの管軸位置の幾何学的な摂動と考えた場合にどのように音響特性が変動するかという点について考察し,このような微小な形状変化が低域におけるホルマント周波数の低下や高域における伝達特性の変動として現れることを示す.

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