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(52) 表計算ソフトによるユーザインターフェース状態遷移仕様の表現とデジタルモックアップ用プラットフォームへの統合

菊地慶仁
北海学園大学工学部研究報告, 第35号, pp.143-149, 2008-2


 本研究は,デジタルカメラに代表される小型電子機器のユーザインターフェース設計初期段階を対象としている.これらの製品ライフサイクルが短い機器で開発期間やコストを短縮させるためには,設計初期段階でユーザビリティや仕様一貫性などの検証を予め行うことで,開発途中での仕様変更を減らし下流のソフトウェア開発工程で仕様情報を再利用する必要がある.本研究では,このような利用のための製品仕様の記述方法と検証を目的としている. 前報までに,小型電子機器のユーザインターフェース仕様を状態遷移機械として代数仕様の形で形式的に表現し,予め規定した公理系を用いて仕様の妥当性を検証する方式についての提案,Mathematicaによる試作システムの開発,Visual Wireless Communicatorの仕様を対象として検証を行った結果について報告してきた. しかしながら,一般企業の設計現場におけるヒアリングでは,データ入力の煩雑さについての問題点が指摘された.このため本報告では,一般的なオフィスで広く用いられている表計算ソフトを状態遷移仕様の入力用ソフトウェアとして用いる方法について提案を行う.第2章では,指摘された問題点について分析し課題を整理する.第3章では,具体的な表の構成について報告し,考察及び結論とする.

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