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(23) 層指定検索ツールの開発

安曇恭徳, 桃内佳雄
北海学園大学大学院工学研究科紀要「工学研究」, 第8号, pp.53-62, 2008-9

機械翻訳システムの開発においては,異なる言語間の対照的な言語学的考察や翻訳ルールの解析と構成が必須であり,そのために,対訳コーパスと呼ばれる電子化された対訳テキストデータを構築して利用することが行われている.アイヌ語と日本語の機械翻訳システムの開発や言語学的考察においても,アイヌ語と日本語の翻訳対を基礎とするアイヌ語・日本語対訳データを利用することは有用である.しかし,対訳データを用いて特定の言語情報に関する考察や解析を行う際に,人手では,その言語情報が含まれている対訳データ要素を探すために時間がかかる.そのため,効率的に情報検索を行うツールを開発することは重要である.本報告では,アイヌ語・日本語機械翻訳システムの開発を支援するツールとして開発した,アイヌ語・日本語対訳データ要素の基本的な構成を考慮に入れた情報検索ツール「層指定検索ツール」の構成と,「層指定検索ツール」を利用した解析例について報告する.また,層指定検索ツールの開発はUMLを用いてモデリングを行った.これにより,システムの構造や処理の流れをわかりやすく表現することが可能となり,システムの修正や機能の追加が容易になると考えられる.本報告では,層指定検索ツールにおけるUMLの利用についても述べる.

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