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(11) EEGによるダイポール推定とそのBCIへの応用

山ノ井髙洋
逆問題研究会(CADET:Consortium of ADvanced Epilespy Trearmentセミナー), pp.1-8, 2010-1

本稿ではEEGを用いた等価電流双極子推定法のソフトウェアSynaCenterProに組み込まれている信頼限界計算法について,山崎らの研究をもとに紹介し,このシステムを応用した著者らの成果について述べる.山崎らによって提案された信頼限界は動径成分に関するものである.後半は,ダイポール推定の応用として山ノ井がすすめてきた一連の研究の中で,ブレイン・コンピュータ・インターフェースへの応用としての最近の成果を報告する.山ノ井らのグループは4種類の方向を示す漢字と矢印を観察時のEEGを計測した.被験者は黙読を教示されている.それぞれ加算平均して得られた事象関連電位に対して,等価電流双極子推定法を試みたところ,漢字矢印ともに潜時500ms付近で左右の前頭葉に双極子が推定された.意味の向きが反対の者に対して,双極子の向きが反対となった.聴覚関連野と言われるWernicke野と角回には推定されなかったが,発話的言語野と言われるBroca野に双極子が推定された.この結果をもとにEEGを用いたブレイン・コンピュータ・インターフェイスの応用を試みた.

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