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(42) 多項式適合法による非整数次微分スペクトル

魚住純
第26回近赤外フォーラム講演予稿集, p.125, 2010-12


近赤外スペクトルの微分処理は,微小ピークの強調や複合ピークの分離などに有効であるが,使用可能な導関数の次数が1または2の整数に限られる制限がある.これを解消するため,フーリエ変換を用いて微分の階数すなわち導関数の次数を正の実数に拡張する非整数次微分を提案し,その有効性を示してきた.しかし,フーリエ変換を用いる方法は,微分に伴う高周波ノイズの除去に平滑化フィルタを必要とし,これが微分スペクトルの解像度を低下させる要因となりうる.このため,本報告では,フーリエ変換を用いない多項式適合法による非整数次導関数の算出を提案する.これは,通常の微分計算におけるSavitzky-Golay法に相当しており,従来の平滑化による解像度の低下を抑制できる.

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