一般化微分法による近赤外分光スペクトル解析

 近赤外波長域のスペクトルは,生体や農産物,食品などの有機混合物の成分を分析に適した特徴を持っており,近年近赤外分光法(NIRS)による分析法が様々な産業分野に急速に浸透しつつある.そのようなNIRSにおけるデータ解析能力をさらに高めるため,微分の次数を実数に拡張した一般化微分法のスペクトルへの応用を行っている.下図は,一般化微分処理を施した米のNIRスペクトルとその主要成分であるアミロース,水分,および蛋白質との相関スペクトルを求めたものである.微分次数の連続的増加とともに,相関ピーク(濃赤色部分)が狭くなる,ピークが分離する,新しいピークが出現するなどの変化が現れていることがわかる.

▲一般化微分処理された米の近赤外スペクトルとその成分(アミロース,水分,蛋白質)との相関スペクトル

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