TOP活動実績1998年

(27) 帰納的学習を用いた訳語推定手法における単語片対の抽出に対する制限
     平成10年度電気関係学会北海道支部連合大会, pp.372-373,1998-10.

 近年、我々には母国語以外の言語を扱う機会が増えており、そのために機械翻訳に対する需要が高まりつつある。しかし、実際の機械翻訳システムには翻訳精度や翻訳結果の質等に問題がある。そこで、我々は機械翻訳システムにおける辞書未登録語の問題の解決をするため、帰納的学習を用いた訳語推定手法を提案し、4つの異なる分野から抽出した辞書未登録語での本手法の有効性を確認した[1]。しかし、この評価実験において、獲得される単位の数あるいは推定結果に対する優先順位決定方法等に問題が見出された。本研究においては、原言語と目標言語の文字列の組を単語片対と呼んでいる。訳語推定に必要となる単語片対だけを獲得するのは大変困難な問題である。従来の手法では、推定対象である単語と訳語の組と英和辞書の見出し語と訳語の組の間において単語片対の抽出を行った。今回提出する手法では、システムが単語片対を獲得する抽出元をヒューリスティクスを用いて選択するという立場で、英和辞書の見出し語と訳語の組の間からも単語片対の抽出を行う。本稿では、ヒューリスティクスによる制限を加えた上で、英和辞書の見出し語と訳語の間からも単語片対の抽出を行った訳語推定システムに対する評価実験の結果を述べる。
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