TOP活動実績1998年

(26) 文字情報縮退方式を用いた帰納的学習によるべた書き文のかな漢字変換手法の変換精度
     平成10年度電気関係学会北海道支部連合大会, pp.365-366,1998-10.

 本手法は文字情報縮退方式[1]で入力された数字べた書き文を漢字かな混じり文に変換するものである.文字情報縮退方法において,50音のかな文字は0〜9,*,#の12個のキーそれぞれに複数対応している.そのため,入力に用いられるキーは12個だけでよく,少数のキーしか装備していない小型の携帯端末などへの応用が考えられている.
 本手法では,かな文字1文字の入力を1ストロークで行うことができ,軽快な入力が可能であり,入力ミスを最小限に抑えることができる.また,システムが帰納的学習により語を自動的に獲得するので初期辞書の作成は必要なく,使用者個人に合わせた辞書が自動的に生成される[2].さらに,隣接文字情報と語の読みの文字数を学習することにより変換精度の向上を目指している.隣接文字情報はn-gram統計[3][4]により獲得され,これにより先行,後続文字列とのつながりを考慮した変換が可能となっている.語の読みの文字数は,入力数字べた書き文中の数字列の位置推測に利用され,より多くの語が獲得される.
 本稿では本手法の概要及びその変換精度を確認するために行った評価実験結果について述べる.
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