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(30) 高次モードを考慮した声道音響モデルの構成法 日本音響学会誌,54巻,12号,pp.850-856,1998-12.

 声道の3次元的形状による音響特性を表現するためには,高次モードを考慮する必要がある。本論文では,複数の矩形音響管が非対称に接続されたものを声道の物理モデルとして考え,高次モード(伝搬モード及びエバネッセントモード)の結合を考慮した声道音響モデルを提案する。本モデルにより,声道断面積関数だけではなく声道の形にも依存した音響特性を検討することが可能であると考えられる。比較的簡単な形状に対して行った数値計算結果では,高次モードが伝搬モードとなる周波数域(4.3kHz以上)では伝搬モードに起因する共振が現れ,また,3kHz以下の低い周波数域ではエバネッセントモードにより共振周波数が影響を受けることが示された。
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