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(17) ファジイ計算とクリスプ計算のERP分布について
      平成13年度電気関係学会北海道支部連合大会 講演論文集,pp.269-270,2001-10

 左脳は言語や計算など理論的情報を処理し、右脳は感情や意欲といった情緒的なことを司ることから,左脳は論理的処理を右脳は直観的処理をすると言われている.一方,クリスプ計算は左下部前頭葉付近,近似計算は頭頂視覚連合野で行われるとの知見がある.神経生理学などの研究により,立体視に関わる最初の視差検出は主に大脳視覚野のV1,V2ニューロンで処理されると言われており,いくつかの研究がある.刺激を受けてからどのようなプロセスで立体感が生じているのか,特にV1以後の時間的特性がいかなるものかを山ノ井らは,課題を遂行する際の誘発電位,事象関連電位(Event-related Potential,以下ERP)を計測する事により明らかにしている.
 本研究では,立体視の研究と同様の方法を用いた.ファジィ計算とクリスプ計算問題を被験者に提示し,計算処理中のERPを記録し,これらをそれぞれ加算した後,ファジイ計算処理時とクリスプ計算処理時のERPの差分を取ることにより,ファジィ計算処理に本質的にかかわるERP成分を抽出し,その潜時を推定した.さらに,この潜時における脳波の誘発部位を双極子解析により推定し,ファジイ計算処理及びクリスプ計算処理に関わる脳内部位を求めた.
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