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(22) 非回折性フラクタルビームの生成可能性について
   工学研究 (北海学園大学大学院工学研究科紀要), 第3号, pp.103-110, 2003-9

 自由空間中の伝搬において強度分布がほぼ不変に保たれるいわゆる非回折性ビームの存在が示されて以来,様々な非回折性光波の特性について多くの研究が行われてきた.筆者らは,そのような研究の一環として非回折性を示す散乱場の存在を示し,その極めて長い軸方向相関が粗面物体の移動計測において興味深い特性を有することを明らかにしてきた.一方,長い空間相関特性を有する散乱場のもう一つの例として,フラクタル的散乱場についても,理論,実験および計算機シミュレーションにより考察を行ってきた.これら2種類の散乱場は,長い空間相関という共通点を持ちつつ,その具体的特性は多くの点で異なっている.本報告では,この2種類の相関特性を何らかの形で併せ持つ光波として,非回折性を有するフラクタルビームの生成の可能性について考察した.

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