TOP活動実績2003年

(23) 長い空間相関を持つスペックル
   オプトロニクス, 第23巻, 第11号, pp.144-149, 2003-11

 光散乱場の空間相関特性は,多くのスペックル計測において,その測定レンジや測定精度などを左右する重要な指標である.通常,散乱場の空間相関は測定物体への照射光の強度分布や結像系の瞳関数を工夫することにより制御できるが,それを積極的に利用する試みはあまりなされてこなかった.筆者らは,スペックル生成における照射光学系を工夫することにより,従来のスペックルとは大きく異なる空間相関特性を持つスペックルが生成可能であることを示し,その特性を調べてきた.本稿では,そのようなスペックルとして,フラクタル的性質を持つスペックルと非回折性を持つスペックルについて述べる.この2つの特異なスペックルに共通する点は,いずれも極めて長い空間強度相関を持っている点であるが,両者の相関特性はかなり趣が異なっている.

PREVIOUS << >> NEXT