TOP活動実績2003年

(27) 口唇部突出しと声道分岐の影響に関する3次元有限要素法による検討
   電子情報通信学会技術研究報告, SP2003-71, pp.43-48, 2003-8

口唇部突出し,梨状窩および喉頭蓋谷の音響特性に与える影響を調べるために,有限要素法を用いて3次元声道形状モデル内の音響特性のシミュレーションを行った.オリジナルの声道形状モデルと,口唇部突出し,梨状窩あるいは喉頭蓋谷の省略を行ったモデルの声道伝達特性を計算し,比較,検討を行った.オリジナル声道形状モデルを母音/a/発声時のMRIデータを使用して作成した.実験結果より,第3ホルマント周波数より高域では分岐による,あるいは分岐の省略による零点やピークが生じることが示された.この周波数領域では口唇部突出しの影響はほとんど現れなかった.第1〜3ホルマント周波数の範囲では口唇部突出しや分岐は,各部位の存在と干渉することなく独立して各ホルマントを移動させることが示された.

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