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(40) 局所着目方式によるアイヌ語−日本語名詞対訳語の抽出について
   電子情報通信学会技術研究報告, NLC2003-49, pp.93-98, 2003-11

対訳コーパスから対訳表現を自動抽出する研究が盛んに行われている.そこでは通常,原言語と目的言語の両言語に対し解析器などから得た解析的な知識の利用が前提となっている.しかし,両言語に対し必ずしも同等な解析的知識を利用できると
は限らない.また,大量の対訳コーパスが容易に入手できるとも限らない.そこで,我々は,両言語において同等な解析器の利用が困難であり,かつ,大量の対訳コーパスが存在しない状況下でも,対訳語を自動抽出可能な新たな手法を提案する.本稿では,提案手法の有効性を確認するための第1段階として,アイヌ語−日本語対訳コーパスを対象に,品詞の中でも出現頻度の高い名詞対訳語の自動抽出を試みた.その際には,効率良く名詞対訳語を抽出するために解析器として日本語形態素解析ツールを用いる.性能評価実験の結果,再現率60.1%,適合率70.1%という結果が得られ,本手法の有効性を確認することができた.

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