TOP活動実績2004年

(19) 円の直線移動知覚に関する脳内処理部位の等価電流双極子推定による同定
   北海学園大学工学部研究報告 第32号 ,pp.175-180, 2005-2

 ヒトが物体を見る際に,物体の動きは背側経路を通って処理され,その初期にはMT野および頭頂間溝(Intraparietal Sulcus: IPS)で処理されると言われている.本研究では,CRTに提示された円の直線移動に対する反応がこれらの処理に引き続き,どの部位でおこなわれているかについて検討した.最近の研究では,これらの処理に関係する脳内処理部位として前頭眼野(Frontal Eye Field: FEF)に焦点が当てられている.我々もこの部位にも反応があるとの仮定の基に解析を行った.さらに,この際には眼球運動もともなうことから,眼球運動の処理をつかさどるといわれる上丘の反応も調べた.
実験は,我々の従来の解析手法と同様に,脳波測定装置を用い,計測された脳波に対し,等価電流双極子推定法(ECDL)を試み解析を行った.提示した刺激は視覚に対する動き情報であることから,事象には関連せず視覚誘発電位(Vision Evoked Potential: VEP)である.したがって,解析対象となる潜時はほぼ400ミリ秒までとなる.


PREVIOUS << >> NEXT