TOP活動実績2005年

(2) 向きを表す単語と記号に対する脳内活動
  電子情報通信学会技術研究報告 MBE2005-20, pp.37-40, 2005-6

ヒトが漢字と記号とを認知する際の脳内処理部位とその推移を比較するため,被験者に対して画面中央に向きを表す単語(漢字:上下左右)および記号(矢印:↑↓←→)の刺激を提示し,それを観察する際の脳波(electroencephalogram: EEG)を計測し,得られたEEGに対して等価電流双極子推定(equivalent current dipole localization: ECDL)法を試み比較した.得られたEEGを比較すると矢印提示の場合には提示された向きによらずほぼ同じ潜時でピークが見られ,対の刺激(↑と↓,←と→)に対してはEEGの極性が逆であった.漢字提示の場合には矢印提示の場合よりも遅れて対刺激の極性反転が観察され,振幅変化が生じる潜時が矢印提示の場合よりも早く観察された.推定されたECDは,漢字提示と矢印提示の結果ではその部位と推移が異なり,また極性反転の潜時での推定結果を比較すると対応するECDのモーメントは異なり,それらの一部ではモーメントが反転していた.
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