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(26) 向きを表す単語と記号による時空間的脳活動の比較
   北海学園大学工学部研究報告,第33号, pp.123-133, 2006-2

ヒト脳機能に関する様々な研究によれば,視覚刺激に関する処理は後頭葉でなされ,初期の段階では左視野の視覚刺激は右脳半球で,右視野の視覚刺激は左脳半球で処理され,その後に頭頂連合野で処理がされることが知られている.さらに高次処理の機能は左脳と右脳とで分化されていることが知られている.
言語に関する脳内処理部位に関しては右利きの99%以上および左利きの70%程度が左脳に集中していると言われ,その高次機能に関してはWernicke野およびBroca野などが司ると言われている.またこれらの部位以外にも,左角回(angular gyrus: AngG),左紡錘状回(fusiform gyrus: FuG),左下前頭回(inferior frontal gyrus: IFG)および前頭前野(prefrontal area: PFA)などでも言語処理が行われるとされている.また漢字と仮名文字とではそれらに対する認知を行う部位が異なっていること,単漢字に対する脳内処理部位の研究なども行われている.
本研究では単語と記号に関する脳内処理部位の推定および比較を行うため,視覚刺激として向きを示す単語と記号とを提示された際のEEGを計測し,ECDL法を試み,比較を行った.

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