TOP活動実績2005年

(40) 母音/a/発声時における鼻腔を伴う声道の音響特性
   北海学園大学工学部研究報告,第33号,pp.171-181,2006-2
 
口腔と鼻腔が結合した日本語母音/a/発声のMRIデータから作成した鼻腔付き3次元声道形状モデルとこのモデルから鼻腔を取り去った鼻腔無しモデルの音響特性を有限要素法を用いて解析した.有限要素法のシミュレーション結果より伝達特性と複素音響インテンシティを計算した.実験結果より,3 kHz以下の周波数領域で鼻腔が結合することでピークや谷が生じることが示された.3kHzから 5 kHz間では両モデルの伝達特性はほぼ一致したが,5 kHz以上では異なっていた.第1,2ピーク周波数において,鼻腔付きモデルの複素音響インテンシティのベクトル分布は鼻腔無しモデルのものとは大きく異なる分布であった.鼻腔付きモデルの伝達特性に見られた近接した谷とピークの対の複素音響インテンシティのベクトル分布は僅かな周波数差にもかかわらず異なるものとなった.


PREVIOUS << >> NEXT