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(25) FFTによる2次元画像の非整数次微分処理(I) −1次元導関数−

魚住 純
工学研究(北海学園大学大学院工学研究科紀要), 第7号, pp.49-59, 2007-9


 非整数次の微積分は,長い間数学者による純粋に数学的な興味の対象として扱われてきたが,近年次第に物理や工学の領域への応用が進行している.しかし,画像処理の分野においては,エッジ強調などの観点から非整数次微分を捉える研究が行われているものの,2次元画像の非整数次導関数の特性の詳細な解析はまだ十分には行われているとは言えない.本研究では,非整数次導関数,およびそれをさらに拡張した非整数次絶対導関数を,フーリエ空間における空間周波数フィルタリングとして捉え,それを2次元関数である画像の処理に適用することを試みる.そのうち,本論文では,非整数次導関数の基本的画像処理特性を調べるため,画像に対する1次元的導関数,すなわち単一の方向に対する導関数を扱うこととし,2次元的導関数については別の論文で扱う.

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