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(26) FFTによる2次元画像の非整数次微分処理(II) −2次元導関数−

魚住 純
工学研究(北海学園大学大学院工学研究科紀要), 第7号, pp.61-72, 2007-9


 長い間数学者による純粋に数学的な興味の対象として扱われてきた非整数次の微積分は,近年次第に物理や工学の領域への応用が進行している.画像の分野においては,一般の画像を対象としたエッジ強調などの観点からの研究も行われているものの,2次元画像の非整数次導関数の特性の詳細な解析はまだ十分には行われているとは言えない.このため,前報では,2次元画像に対する1次元導関数,すなわち,ある一方向のみの微分演算処理について報告を行った.本論文では,これを2次元的な導関数に拡張する方法とその特性について考察を行う.特に,非整数次導関数と非整数次絶対導関数の各々について,フーリエ空間におけるx方向とy方向の導関数フィルタの結合方法として,乗法結合と加法結合を考え,導関数の特徴を論ずる.さらに,方向依存性のない等方性の導関数についても議論を行う.

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