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(49) 形状ベースパターンマッチングを利用する自律移動ロボットのビューベースド航法

深谷健一,鎌田誠一,菅原匡貴
工学研究(北海学園大学大学院工学研究科紀要), 第7号,pp.29-34, 2007-9


 自律移動ロボットの移動には「いまどこにいるか」(自己位置認識)が不可欠の要素技術であり,多くの研究がなされてきた.人工ランドマークを設置せずに,ロボット移動環境中の視野画像そのものをランドマークとして予め教示しておき,移動時の視野画像とマッチングすることで自己位置認識するビューベースド航法が有効な手法として近年試みられている.環境をそのままランドマークに利用できるが,単純な濃淡マッチングでは画像情報処理の負荷が大きくリアルタイムの走行が難しい.工業応用の分野で安定したリアルタイム照合の実績がある形状ベースパターンマッチング手法を利用して,廊下壁画像を環境ランドマークとして用いるビューベースドの移動ロボット走行を試み航法としての実現可能性を検証した.教示走行時の形状ベースモデルによる一致度を指標として用いることで自己位置認識が可能である.しかし,一致度指標だけでは座標上の絶対誤差を決定できないので,前進・後退・回転のフィードバック微調整走行が必要となり,リアルタイムの自己位置認識にはならない.また廊下中央走行が教示地点での画像取得の前提条件となる制約がある.

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