(5) 視覚性認知−奥行き−と痴呆の関連II
日本エム・イー学会誌 生体医工学,
第41巻, 特別号, p.495, 2003-6
高齢化社会に伴い痴呆患者の増大が大きな社会問題になっている.著者らは,立体視に関して,液晶シャッター眼鏡を用いたバーチャル空間の奥行き知覚を計測し,頭頂葉での反応を認めた.この部位はアルツハイマー病の患者の初期障害部位と一致している.この事実をもとに,アルツハイマー病において病初期から出現する視空間認知機能の障害で奥行き知覚が低下していることに着目し,奥行き知覚を簡易に計測することで早期診断の検査法の確立を目指した.これまでに20代の正常な視覚機能をもつ被験者との比較を行ってきたが,本研究では同年代の健常者と患者に対しての奥行き認知の計測を行った.