TOP活動実績2006年研究成果概要



[研究グループ構成]

   研究者  :深谷健一,菊地慶仁
   共同研究者:岸浪建史(北大),金井理(北大)

[研究課題と成果概要]

@[ 画像情報処理の人間・移動ロボット連携作業への応用(深谷健一) ]
 2005年度までにロボット外周に複数の赤外線受光素子を取り付け,ロボットに向けて人間が赤外線リモコンボタンを押下すると,最初にどの素子で受光したかを判断することでロボットと人間との相対方向を容易に検知でき,かつ各ボタンに指示動作を割り付けることで要求動作も指示できる装置を試作してきた.その応用として今年度は赤,青,黄,緑の服を着た人をレーザポインタで指示して追尾させる機能とレーザポインタ照射点へロボットを接近移動させる機能を開発した.移動ロボット走行中の視野画像の輪郭特徴を登録し,同一経路再走行中の画像と照合することで自己位置認識を行いながら走行する航法を考案した.2005年度に人間が手ジェスチャの動きによって直感的に移動ロボットに動作指示を与える装置を可視化してきた.今年度は手を傾けたときの重力加速度と手を振ったときの加速度を別々の加速度センサで検出することにより精度向上を図り,さらに手ジェスチャ対応のロボット移動時に操作者に音声出力で動作種別を知らせるインタフェースを付加した.上記の移動ロボット機能の実証実験をおこない,その有効性を示した.

A[ マルチメディア機器入出力仕様の代数的記述方式と実装技術の確立(菊地慶仁)
    1.設計対象の代数表現と公理系を用いた数学的検証
    2.GISデータのデータ表現と検索技法に関する研究   ]
 「設計対象の代数表現と検証」では,小型電子機器のユーザインターフェース設計の初期段階を対象とし,データ共有,検証,再利用のための形式的な製品仕様の表現方法の確立を目的として研究を進めてきた.平成18年度は,在外研修に当り研修地域で開催されるグラフィックス及び総合的なエンジニアリングに関する国際学会に参加して最新動向を見ることができた.また,日本国内の研究者と共同で,製品データの質に関する論文を著述することができた.当該論文は,現在アメリカ機械学会(ASME)の投稿中である. 「GISデータのデータ表現と検索技法に関する研究」では,最近話題となっているRuby on Railsと呼ばれる環境に着目して実際にインストールを行なって適正の検討を行なった.Railsは,オブジェクト指向言語Rubyを元にして開発されたWebサーバー環境であり,システム全体がRubyによって記述されている.またMySQLデータベースと連携することで高速なデータ検索を行なうことも可能となっている.RubyによるGIS用ルーチンとWeb出力を連携させることによる開発効率の向上が期待される.次年度以降に具体的な開発に入る予定である.




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