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(44) 学習型機械翻訳手法における省略可能性を用いた翻訳ルールの自動獲得とその有効性

寺島 涼,越前谷博,荒木健治
情報処理学会研究報告, NL-183,pp.127-134, 2008-1


 我々は学習の観点より,翻訳例から翻訳に必要な翻訳ルールを学習により自動獲得する,学習型機械翻訳手法を提案している.そこでは,効率的に翻訳ルールを獲得することが重要となる.即ち,データスパースなコーパスに対処する必要がある.この問題を解決するために,本稿では,翻訳例中の省略可能な部分に着目することにより,より効率よく翻訳ルールを自動獲得するための手法を提案する.本手法では,翻訳例中の句に相当する,対応関係が明確な部分を抽出することにより翻訳ルールを獲得する.そして,翻訳例からそれらの対応関係を抽出するための範囲情報に関する知識を省略可能性の観点から自動獲得する.性能評価実験の結果,省略可能性による翻訳ルールの獲得処理を適用することで有効な翻訳率が5.5ポイント増加し,本手法の有効性が確認された.

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