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(32) 対訳文の部分対応に着目した機械翻訳自動評価手法

小山田崇, 越前谷博, 荒木健治
情報処理学北海道シンポジウム2008講演論文集, A-10, 2008-9

インターネットの普及により様々な機械翻訳システムが利用可能となっている。しかし、それに伴い、機械翻訳システムの評価が大きな問題となっている。機械翻訳の出力文をすべて人手で評価するには多大な労力を要する。そのため、近年、翻訳文を自動的に評価するための翻訳自動評価の研究が盛んに行われている。これまでの研究では、ドキュメント単位においては自動評価のスコアと人間の主観評価との間に高い相関があることが明らかとなっている。しかし、文単位においては十分な相関が得られず、問題点として指摘されている。このような状況において、本稿では、構文情報として機械翻訳システムによる翻訳文と人間による参照訳との間で句に相当する部分的な対応関係を自動的に決定することにより、翻訳文を自動評価する新たな手法を提案する。提案手法では、部分的な対応関係の決定は、対応関係を決定するための対訳知識を学習により自動獲得し、それを適用することにより行う。そして、翻訳文と参照訳との間で対応する部分を抽出し、部分ごとの一致度と部分の文中の位置情報を自動評価スコアに反映させる。その結果、構文情報を利用した、より高度な翻訳自動評価が期待できる。

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