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(29) 対訳コーパスに基づく学習型機械翻訳における省略可能情報を用いた部分対応学習の有効性

寺島涼,越前谷博,荒木健治
電子情報通信学会論文誌D, Vol.J93-D, No.3, pp.377-388, 2010-3


対訳コーパスに基づく機械翻訳手法では,対訳文の原言語文と目的言語文間で句に相当する部分的な対応関係を決定することは有効である.そこで,本論文では省略可能情報を用いた部分対応学習を提案する.本手法では句レベルの部分対応を決定するための抽出ルールを,対訳文中の省略可能な部分に着目することにより自動獲得する.次いで,句に相当する部分の探索範囲を限定するための情報を有している抽出ルールを用いて,効率良く対訳文中の部分対応を決定する.本論文では,対訳コーパスから翻訳ルールを自動獲得することで翻訳を行う,学習型機械翻訳に本手法の適用を行った.性能評価実験の結果,本手法により,効率的かつ汎用的な翻訳ルールの獲得が可能となり,人手による正誤評価及び様々な自動評価において翻訳精度の向上が確認された.

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