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(42) FDTD法とモード展開法による管内音場の可視化

菊地祐也,坂尻勇人,元木邦俊
北海学園大学工学部研究報告,第39号,pp.133-141,2012-02


音声生成モデルの高度化のために声道内部の音場解析を行っている.従来から,1 次元モデルを用いて解析する手法があるが,近年では,MRI(Magnetic Resonance Imaging) データなどを基に3 次元の声道モデルを構築し,有限要素法(FEM),有限差分時間領域法(FDTD),モード展開法などにより解析が行われている.FEM では詳細な音場解析を行うことができるが,声道の3 次元モデルの構築や数値計算に時間がかかる.FDTD 法は,主に電磁場解析の分野で用いられてきた手法であるが,近年音場解析にも導入されている.この手法は,音場を表す基本式を中心差分し各点の音圧と粒子速度を交互に計算する.時間領域で解析を行い,任意の3次元形状の解析を行うことができる.モード展開法は,声道形状を矩形音響管の縦続接続によりモデル化し,声道内音場を高次モードを用いてパラメトリックに表現する手法である.これは1 次元モデルの拡張であり,ある程度3次元声道の特徴を反映し,かつ計算が速い手法として提案されている.本研究では,FDTD 法による高次モードを含む音場が定常状態に至るまでの過程を可視化し,モード展開法と同じ条件で解析を行った結果を報告する.

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