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(36) 非整数次微分スペクトル処理を用いた小麦粉の成分分析

魚住 純,古川昌樹,植村祥史
第27回近赤外フォーラム講演要旨集,p.91,2011-11


スペクトルの微分は,重畳するピークの分離や微小ピークの強調などに有効であることから,NIRSにおける前処理として多く用いられているが,実用的な微分次数が1と2だけであり,さらに1次および2次の微分ピークが原ピークに対して,それぞれシフトと反転を生じるという不便さがある.これらの問題に対処するため,微分次数を整数から正の実数に拡張した非整数次微分 (fractional derivative, FD) ,およびピーク位置のシフトと反転を抑制した非整数次絶対微分 (fractional absolute derivative, FAD)を提案し,それらの導入によりNIRSによる成分測定の精度を向上させることができることを報告してきた.
 これまでの報告では,31点の比較的少数の米試料を用いていた.そこで本研究では,対象を小麦に変え,また試料数を97点とより多くすることにより,FDおよびFADによるNIRSの成分推定精度について考察を進める.

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