入学者受入れ方針(アドミッション・ポリシー)
工学部は、建学の精神に基づいて、地域の大学として北海道に貢献できる人材の育成に主眼を置いていますが、なおこれに限定せず広く応用性のある工学教育を行っており、各学科ではそれぞれ以下のような人を求めています。
社会環境工学科
社会環境工学科では、社会環境工学を学ぶことに対して強い意欲を持つ次のような人を求めています。
両コース共通
- 大学での教育に必要な数学、理科、英語その他の十分な基礎学力を備えている人。
- 常に向上心を持ち、コミュニケーション能力や協調性及びリーダーシップを養う努力をする人。
- 自然現象や社会システムに関心を持ち、環境の保全・創造や、環境と調和した社会の構築に取り組む意欲を有する人。
社会環境コース
- 市民の生活を支える社会・都市基盤の整備や維持管理に興味を持ち、これらの分野で社会貢献を目指す人。
環境情報コース
- 市民の生活を支える社会や都市の仕組みに関心があり、市民の安全、福祉などの政策決定や情報化に興味を持ち、これらの分野で社会貢献を目指す人。
建築学科
建築学を学ぶことに対して強い意欲を持つ次のような人を求めています。
- 機能的で美しい建築や住みよい都市をデザインしたいと思っている人。
- 建築や都市の快適性を環境面から追求したいと思っている人。
- 災害に強く、安全かつ耐久性のある建築や都市を造りたいと思っている人。
そのため選抜科目も多様な科目の中から選択できるようになっており、文系・理系を問わず受験できます。重要なことは、しっかりとした基礎学力と学ぶ意欲を身につけておくことです。また、様々な学習や活動をとおして、コミュニケーション能力や協調性、主体性や表現力を身につけた人を求めています。
電子情報工学科
電子情報工学科は、現代社会に欠かせないハードウェアとソフトウェアを活用して社会に貢献する人材の育成を目的としており、学生には論理的な思考方法を身につけた上で、電子工学と情報工学の両面にわたる知識の修得を求めます。そのため、物事の数理的な取扱いに強い興味と関心を示すとともに、世の中のさまざまな考え方を理解し共有しようとする人、さらに、電子・情報・通信などの分野に強い興味と関心を持ち、それらを通して問題を認識・発見し、論理的・創造的に解決できる力を身につけようとする人を求めています。上述の学習目標を着実に達成するために、高校においては、基本とされる教科をしっかりと勉強することが大切です。特に数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B、物理基礎・物理、国語(現代文)、英語に力を入れて学習することが望まれます。
生命工学科
生命工学科では、生命科学と情報工学を学ぶことに対して強い意欲を持ち、向上心と好奇心に満ちた次のような人を求めています。
- 動物や植物、人間社会などに関心があり、実験や観察、「ものづくり」が好きな人。
- 人間工学や情報技術あるいは分子生物学やバイオテクノロジーに関心があり、物事を論理的に考えることのできる人。
- 生命や脳のしくみ、人間の行動コミュニケーションなどに興味を持ち、分野横断的に新しい課題に意欲的に取り組むことのできる人。
このため入学者選抜では、英語と数学に加え、理科(生物、化学、物理から選択)を一般選抜の選抜科目に設定しています。高校では、これらの科目を中心にしっかりと基礎学力をつけ、自分の頭で考える習慣を身につけておきましょう。また、さまざまな活動を通して、豊かな「人間力」とみずみずしい「好奇心」を養っておいてください。
教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)
工学部では、教養を基礎に自らの可能性を追求し、「予測不能な時代」に柔軟に対応しうる総合的な知性を獲得できるカリキュラムを提供します。1年次には大学生にふさわしい見識と豊かな人間性を養うための科目と専門分野の入門的な科目を配置しています。2年次以降は学科特性に応じた専門的知識と応用力を涵養するための科目を配置しています。技術者として必要な道義性・倫理観を養う科目は全ての学科に設けられています。実験・実習科目では、講義科目で学んだ知識をより深く理解するとともに技術者としての素養を身につけます。学習の集大成として4年次では、自ら課題を設定し卒業研究として取り組みます。
社会環境工学科
本学科では学習・教育到達目標を設定している。また、それぞれの学習・教育到達目標に対応したカリキュ ラムを構成し、4年間の一貫教育を実施して社会に貢献できる人材の育成を目指している。さらにいくつかの学習・教育到達目標は、項目別学習・教育到達目標に細分化され、項目別の目標に対し関連科目が配置されて カリキュラムが構成されている。
なお社会の動向を考え、社会環境コース、環境情報コースの2コース制をとっている。社会環境コースは従来の土木工学を中心とした技術であり、環境情報コースは環境、情報、都市学の比重を大きくしている。カリキュラムに若干の違いがあるが、必要とされる技術者像、技術者の能力は共通しているため、両コースの学習・ 教育到達目標は同じとしている。
建築学科
1年次には大学生にふさわしい見識と豊かな人間性を養うための学習を主体としながら専門分野の入門的な科目も配置し、2年次以降には高度な専門的知識と新しい技術を習得するための科目を配置しています。
多くの選択科目を用意し、各自の興味や目標に応じて、特定の系を集中して学ぶことができます。これらは空間デザイン系、環境デザイン系、システムデザイン系の3つの系から構成されており、アドミッション・ポリシーに掲げた3者と対応しています。もちろん、幅広い分野を総合的に学ぶこともできるようになっています。
専門科目のなかには微積や力学の基礎知識が必要な部分もありますが、入学前にそれらの科目を履修していなくても、入学後に基礎から学ぶことができるようになっています。専門科目も入門的な内容から基礎、応用、発展と段階的に進むカリキュラムになっていますので無理なく理解できます。
また、種々の演習や実験を中心にコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、自主性や協調性を養うための工夫を施しています。
教育理念
建築学が対象とする学問領域は、工学のみならず社会科学まで多岐にわたるうえ、個々の人間の感性と倫理観も重要視され、専門性と総合性の両者がともに求められます。
循環型社会への移行に伴い、人間の暮らしが息づく生活空間(環境を含む)のあり方が問い直されており、建築設計に留まらず街並みの形成(都市計画)に関する幅広い建築技術の応用に関する知識・能力を身につけることが必要となっています。また、防災・減災や環境負荷低減あるいはユニバーサルデザインなど多様な観点を踏まえた建築物の安全性・快適性はもとより、古い建築物の再生・活用を図る柔軟な発想力も求められています。
これらの背景から、建築学科では以下のような教育・学習目標のもと、多様な知識・能力を持ち様々な分野で活躍できる人材の育成を目指しています。
Ⅰ. 教育目標
建築学の広い学問領域を背景として、文系・理系を問わず門戸を開いています。そのため、工学系の知識を基礎から学ぶ科目を配し、専門科目は工学系の知識に創造性も踏まえ、入門的な内容から基礎、応用、発展へと段階的に進む構成を通じて、多様な知識・能力を身につけた人材を育成します。また、多岐にわたる専門科目をバランスよく用意し、特定の系に重点を置いて学ぶことも、幅広い分野を総合的に学ぶこともできる教育体系を通じて、各自の興味や目標に応じながら様々な分野で高い倫理観も携えて活躍できる人材を育成します。
Ⅱ. 学習目標
1. 空間デザイン能力の習得
機能的で美しい建築や住みよい都市を構想・計画しデザインすることが出来る。
2. 環境デザイン能力の習得
環境・設備面から建築や都市の快適性・利便性・安全性と環境負荷削減を追求することが出来る。
3. システムデザイン能力の習得
構造・材料・生産面で安全かつ要求される使用性・耐久性のある建築を考え造ることが出来る。
4. 上記能力を活かし想像を実現する優れた人間性の醸成
適切かつ正確なコミュニケーション・質の高いプレゼンテーションを実践することが出来る。
豊かな協調性・魅力的なリーダーシップを発揮することが出来る。
電子情報工学科
電子情報工学科は、ハードウェアとソフトウェアの両方に精通した技術者を育成するため、豊かな素養と基礎的な学力を身につける「基盤」「教養」「体験型」の科目群からなる一般教育科目、ならびに基礎数物系、応用数物系、電子系、情報系、応用系の5系列の専門科目をバランスよく配置した教育体系を展開します。また、卒業認定・学位授与の方針と各科目の関係性及び到達目標を示すカリキュラムマップ、カリキュラムの体系性・系統性を示すカリキュラムツリーを提示し、カリキュラムの構造をわかりやすく明示します。
教育内容、教育方法、学修成果の評価については以下のように定めます。
1)教育内容
(1)初年次には大学生としての見識と豊かな人間性を養う学習を主体とし、同時に電子系および情報系分野の入門的な科目も配置します。
(2)数理法則の基礎概念と自然科学に関する基礎的知識を身につけ、自然界を支配する一般的法則や現象を理解し、電子情報工学を広い視点で理解する基礎的能力を養う科目を配置します。
(3)電気・電子現象を具体的に理解するための基礎技能を身につけるとともに、電子系科目の基礎知識に基づき、エレクトロニクスに関する専門的な知識を習得し、エレクトロニクスに関連した問題を解決するための応用能力を養う科目を配置します。
(4)コンピュータリテラシーを含む基本的な情報処理能力を身につけるとともに、情報系科目の基礎知識に基づき、情報処理技術に関する専門的な知識を習得し、情報処理技術に関連した問題を解決するための応用能力を養う科目を配置します。
(5)電子系および情報系科目の基礎理論と知識に基づき、計測、制御、通信などの分野における専門的な知識を習得し、それらに関連した問題を解決するための応用能力を養う科目を配置します。
(6)コンピュータプログラムの作成・実行や実験の計画・遂行を自律しておこない、結果を工学的に考察し、まとめる能力を養い、社会の要求を踏まえて課題を設定し解決できるデザイン能力を養う科目を配置します。
2)教育方法
(1)初年次教育においては学習効果を上げるために少人数授業を実施し、さらに演習によるきめ細やかな指導を行うことで高校までの数物系の知識を固めます。また、専門分野となる電子系および情報系分野に早い段階で慣れ親しむため、専門科目担当教員も初年次の授業を担当することとしています。
(2)各学生に対して教員一人がアカデミック・アドバイザーとなり、学生からの相談を受ける機会として年2回、学期ごとに面談を行い、その中で学業成績や履修状況に応じて、修学や進路に関する指導を行います。
(3)学生と教員の双方向のコミュニケーションを円滑にし、学習効率を向上させるため、講義資料の配布や採点後レポートの返却など学生に情報を提供する際や、WEBテストや授業評価アンケートの実施など学生から情報を集める際に、積極的にLMSを活用します。
(4)電子系および情報系分野のテクノロジーを講義・演習を通して体系的に学び、さらに具体的な内容を通してより深い理解を得るため、最新の設備・機器を使った多くの実験、実習を実施します。
(5)実践力の育成を重視する授業においては、学生・教員間のコミュニケーションや学生同士の議論を通して学生の主体的発想力と協調的問題解決力を養うため、クリッカー・グループワーク・反転授業などを活用したアクティブ・ラーニングを実施します。
(6)学習の集大成として4年次に取り組む卒業研究においては、問題に対する思考・分析・解決の能力を身につけ、また自らの考えや研究の結果を他人に伝える表現力を身につけることを目的とし、少人数によるインタラクティブな教育を実施します。
3)学修成果の評価
学修成果の評価方法は各科目のシラバスで提示しています。各科目の方法に従った評価をします。
生命工学科
生命工学科は「人間」と「生命環境」にやさしい先端テクノロジーを中心に、環境調和型のコミュニケーション社会に必要とされる知識とスキルを幅広く学ぶことを目標とします。そのために本学科の専門科目は、理学系科目を中心とした「生命科学系」と、工学系科目を中心とした「人間情報工学系」の2つの柱で構成されます。「生命科学系」では、分子生物学を中心に、ゲノムテクノロジーや分子医学、あるいは近年注目を集めているグリーンテクノロジーなど、急速に発展を続ける「ライフサイエンス」に関する先端知識と基本スキルを習得します。「人間情報工学系」では、人間工学や感性工学、応用情報学など、「人にやさしいテクノロジー」を目指すために必要不可欠な「ヒューマンウェア」に関する先端知識と基本スキルを習得します。
教育理念
生命工学科では、生命科学と情報工学のそれぞれの分野で活躍する専門技術者の養成に加え、両分野の専門知識とスキルを併せ持ち、生命と情報が融合した新分野の技術開発に積極的に資することのできる人材を社会に輩出してゆくことを目指しています。そのため、両分野にまたがる高度な専門知識と工学基礎技術を習得し、生命と情報に対する幅広い洞察力と生命・環境への高い倫理観を併せ持つ人材、既成概念にとらわれずに新しい技術分野に積極的に挑戦する人材、そして、他者との協働の際に高いコミュニケーション能力に基づき適切に行動に移せる人材を育成します。
Ⅰ. 教育目標
1年次から2年次にかけ広く総合的な判断力や批判力を身につけるために学ぶ「一般教育科目」と、4年間を通じ生命科学と人間情報工学の両分野を深く理解するために開講される「専門教育科目」を、バランスよく習得することが重要であると考えています。
一般教育科目では、言語科目や人文科学・社会科学・自然科学分野の科目について、学生自身の知的好奇心に即した多様な講義の選択ができるようにしています。専門教育は、生命科学系と人間情報工学系の講義ならびに実験・実習科目で構成されており、両分野の専門家として欠くことのできない専門的基礎理論からより高度な専門課程へと、知識とスキルの両面で無理なく着実に学習が展開できるよう配慮されています。
生命系では急速に発展する分子生物学を中心に学び、人間情報系ではこれからの情報コミュニケーション社会に必要なヒューマンウェアに関する情報技術を学びます。また、生命科学と情報工学の両分野の実験・実習科目を必修科目として課し、バイオ技術と情報処理という2つの先端テクノロジーの基本を具体的に体得させ、人間と生命環境にやさしい次世代工学技術の創生に貢献できる意欲的な人材を養成するカリキュラムとなっています。
Ⅱ. 学習目標
1.様々な学修に通じる基礎的な知識やスキル、リテラシーを習得する。
2.一般的・普遍的な教養を身につける。
3.分子生物学や細胞生物学に強い関心を持ち、最新バイオテクノロジーの開発に資する能力を習得する。
4.専門的情報技術に強い関心を持ち、高度な知識情報システムを設計・開発できる能力を習得する。
5.工学基礎理論に関する知識を身につけることで、目的に応じて基礎技術を活用する能力を習得する。
6.生命科学と情報工学に対する深い理解に基づき、未来世代に対する責任を意識した高い倫理観を醸成する。
7.生命科学と情報工学が切り拓く最先端テクノロジーの多様性と生命環境に及ぼす影響・効果を見通す能力を習得する。
8.未知の分野を積極的に開拓するための課題発見力・洞察力を習得する。
9.グローバルな視点から広く総合的・論理的に物事を判断し、批判する能力を習得する。
10.他者との協働において自分の持つ情報や意見を他者にわかりやすく伝える能力を習得する。
11.他者との協働において他者の発信した情報や意見を理解し尊重する能力を習得する。
12.他者との協働において当事者意識を持って自主的・積極的に行動する。
学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)
工学部では、所定の単位を所定の期間で修得し、常に真理を探究する構えと専門の学知に支えられた高い道義性・倫理観と知性を兼ね備え、現代社会の直面する諸課題の解決に貢献できる知識と能力を身につけた者に学士の学位を授与します。
社会環境工学科
本学科では育成する技術者に以下の3つの能力を身につけることを求めており、このⅠ~Ⅲを技術者像として定めている。
Ⅰ. 技術者の人間形成に資する幅広い教養、倫理観、コミュニケーション能力
Ⅱ. 専門技術者として要求される基礎能力
Ⅲ. 自然環境ならびに地域特性を考慮した社会の要求に応える能力
Ⅰ~Ⅲの3つの技術者像は、それぞれ本学科の学習・教育到達目標の内容を包含して、学習・教育到達目標と一体化した構成となっている。
本学科の技術者像は社会基盤に関連する分野全般に関係するものであり、関係する官庁やコンサルタント、建設会社に従事する技術者は、Ⅱの専門技術はもとよりⅠの幅広い教養やコミュニケーション能力が求められる。
Ⅲは本学科の特徴であり、地域特性を考えて環境との調和や社会のニーズに応えていく能力が今後一層重要になると考えられる。
このように本学科の技術者像は修了生の進路を反映した内容で定められている。
建築学科
学則に定める所定の修業年限及び修得単位を満たし、次の能力・資質を身につけた学生に学士(工学)の学位を授与します。
(1)学士としての基礎的な知識や一般的な教養を身につけている。
(2)建築技術者としての高い倫理観を身につけている。
(3)地域社会と連携していける能力を身につけている。
(4)空間デザイン、環境デザイン、システムデザインの各系において高度な専門知識を身につけている。
(5)空間デザイン、環境デザイン、システムデザインの全ての系を対象として総合的な視野をもって融合し、活用できる高度な専門知識を身につけている。
電子情報工学科
学則に定める所定の修業年限及び修得単位を満たし、次の能力・資質を身につけた学生に学士(工学)の学位を授与します。
(1)学士としての基礎的な知識や一般的な教養を身につけていること。
(2)電子工学と情報工学に関する基礎から応用に至る幅広い専門知識を身につけていること。
(3)社会の要求を踏まえて専門的課題を設定し、解決できること。
(4)自らの創造力や他者との論理的なコミュニケーションを通して、新しい技術を生み出せること。
(5)科学技術の発展に熱意を持ち、かつ電子情報技術者として社会に対する責任を自覚していること。
生命工学科
学則に定める所定の修業年限及び修得単位を満たし、次の能力・資質を身に付けた学生に学士(工学)の学位を授与します。
(1)学士としての基礎的な知識や一般的な教養を身につけている。
(2)生命科学と情報工学の両分野にまたがる高度な専門知識と工学基礎技術を習得している。
(3)生命と情報に対する幅広い洞察力と生命・環境への高い倫理観を併せ持っている。
(4)既成概念にとらわれずに新しい技術分野に積極的に挑戦することができる。
(5)他者との協働においてコミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、自主性や協調性に基づいて適切に行動することができる。