大型の地震等による災害が発生した状況を想定し対応する必要があることから緊急時対応計画を定める。その要点は「教職員や利用者の安全確保」、「火災発生の備え」、「実験動物の逸走防止」の3点とし一次災害はもとより二次災害をも最小限にとどめ、その後の復旧を速やかに確保できる体制整備を目的とする。

1.災害を想定した準備

  1. 避難時の安全確保は動物実験責任者が行う。
    • 懐中電灯、電池、軍手、タオル等を所定の場所に常備しておく。
    • 重量のある物品は書庫・戸棚の上に載せない。
    • 避難経路、誘導灯、消火器・消火栓の設置場所を確認しておく。
    • 防火扉の周囲、階段・踊り場には避難時に障害となるような物品は置かない。
    • 防災訓練は大学全体の防災訓練と同時期に行うよう努める。
  2. 火災を誘発する危険性のあるガス・薬品等の取扱いや保管は動物実験実施者が行う。
    • ガス器具の使用後には元栓を閉じるよう習慣づける。
  3. 実験動物の逸走防止は動物実験責任者と実施者が行う。
    • 飼育装置や飼育ラックの転倒防止と飼育ケージの落下防止をする。
    • ケージの上アミや扉が多少の振動でも外れないようケージの固定をする。
    • 動物実験実施者は動物数に変更があった場合には、ケージの動物数を訂正する。
    • 動物実験責任者は、動物の管理簿に飼育動物数を記載・把握しておく。
    • 動物室及び前室のドアは必ず施錠し閉鎖する習慣をつける。
    • 逸走時を想定し捕獲用具やトラップを準備する。
    • 動物には他の個体と重複しないように個体識別する。
  4. 物品の備えは動物実験責任者が行う。
    • 動物への給水瓶、ポリタンク、運搬用キャリー等を準備する。
    • 飼料は最低 2 週間分を備蓄し、飼料は可能な限り保存に耐えるものを用意する。
    • 緊急時には、飼育架台などを水洗できぬ状況を考慮し殺菌消毒スプレー、ペーパータオル、古新聞、ポリ袋、ポリ手袋等を準備する。

2.災害発生時の対応

  1. 身体の安全を図る。
    • 大規模地震発生時には、身体の安全を確保し避難することを最優先する。
    • 揺れが落ち着いたら安全を確保し施設の外に階段を使い脱出する。エレベーターは使用してはならない。施設内に利用者が居れば屋外へ誘導する。
    • 動物室から脱出する際には、動物の逸走を防止する為、動物室と前室のドアを2枚とも閉める。
    • 施設から脱出後、教職員・大学院生・学生・利用者の有無を動物実験責任者は確認する。
    • 勤務時間外や休祭日には、緊急連絡網により連絡を取り合い動物実験実施者は動物実験施設へ出動して災害後の対応に備える。

3.災害後に初期対応が可能と確認された場合、動物実験実施者には以下の対応が求められる

  1. 火災や爆発の発生防止
    • ガスや酸素ボンベの元栓を閉じる。
    • 毒性、引火や爆発性のある薬品等については、保管棚からの落下を防止する若しくは収納ボックスに入れて床におく。
  2. 消火活動
    • 火災が発生したら、火災報知機ボタンを押し、大声で助けを求め、可能ならば消火器等で初期消火に努める。
    • 工学部警備室(7811)あるいは事務室(内線7703:事務長)へ災害発生状況を通報する。
  3. 実験動物逸走防止
    • 動物は直ちにケージに収容し、ケージを飼育棚に戻す。
    • 退室時には全ての動物室・前室・実験室の扉を閉め、廊下への動物の逸走を防ぐ。
  4. その他
    • 稼働中の実験機器装置の電源を切る。
    • 使用中の薬品は転倒・落下しないよう収納ボックスに入れて床におく。
    • 使用中のガス・電気・水道・蒸気は使用を中止し元栓等を閉じる。

4.災害終息後の対応は動物実験責任者が行う

  1. 建物内の安全確認がなされた後に複数人で施設内の被害状況の確認を行う。
    • 施設本体に付随する部分は工学部事務室へ復旧を依頼する。
    • 動物室における動物逸走、飼育装置転倒・移動、給餌器と給水器の破損等を確認する。
  2. 実験動物の緊急対応
    • 各階の廊下、動物室の前室等に逸走動物が居ないか確認する。
    • 動物室の転倒や移動のあった飼育ラックを所定の位置に戻す。
    • 逸走の無いケージは貼付ラベルの記載事項を確認し飼育棚に戻す。
    • 動物室内の逸走動物を全て捕獲し、空きケージへ別々に収納する。
    • 動物実験実施者の立ち会いが出来ない場合には、無事であった動物と安楽死させた動物の一覧表を作成して連絡する。
    • 動物へ給餌・給水を行う。
    • 飼育の継続が困難と判断された動物は、所有者と相談して安楽死させる。
    • 糞尿や汚物により衛生環境が悪化している場合は、清掃や消毒を入念に実施する。
    • 復旧に必要な物品をリストアップし早急に購入する。
  3. 被害報告
    • 実験動物や実験環境については個々の動物実験責任者が取りまとめ、動物実験委員長に報告する。
    • 動物実験委員長は工学部事務を通じ学長に報告する。
  4. マスコミ・地域住民・各種団体からの取材や問合せ
    • 工学部事務を窓口とする。動物実験委員長と協議の上対応する。

緊急時連絡網

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