ニュース電子情報工学科

掲載日:2023.06.29

電子情報工学科の小野智香子教授の共著研究報告(共著者:J. D. Bobaljik, D. Koester, D. Zaporotskij)
タイトル:Text setting in an Itelmen Khodila: A phonological analysis
(イテリメン・ホジラにおけるテキスト・セッティング:音韻論的分析)
が、アメリカ言語学会 (Linguistic Society of America,LSA)が発行する理論言語学論文誌 Language に掲載されました。

リンク(オープンアクセス):
https://muse.jhu.edu/issue/50349

この研究において、小野教授の研究グループはイテリメン(ロシア連邦内のカムチャツカ半島に住む先住民族の一つ)の伝統的な歌である「ホジラ」における歌詞と話し言葉の音韻的な関係について調査を行いました。英語や他言語においては音節の重さやアクセントが歌詞との関連に重要な役割を果たすのに対し、イテリメンの歌では言語的なアクセントや音節の重さがほとんど関与せず、代わりに単語の境界を音楽のリズムに合わせることにより、結果として、その語にもともと存在しなかった母音がリズムに合わせて挿入される現象を報告しました。これは当該言語の通常の音韻論とは異なる「パラ音韻論」的プロセスであり、通言語的に見て注目に値すると考えられます。