ニュース電子情報工学科

掲載日:2024.11.20

電子情報工学科の前田秀基教授とチリ共和国の科学研究センター(Centro de Estudios Cientificos)とサン・セバスチアン大学(Universidad San Sebastian)に所属のクリスチアン・マルチネス博士との共著論文がClassical and Quantum Gravity誌に掲載されました。

時間変化しない静的時空では、時間並進対称性を生成するキリングベクトルのノルムがゼロになるキリング地平線がブラックホールの事象地平線(表面)などの重要な役割を果たします。この論文では球対称などの高い空間的対称性を持つ静的時空において、どのような物質場に対してキリング地平線が存在可能なのかを明らかにしました。特に物質場のエネルギー密度と動径圧力に比例関係があるとき、地平線が存在できるかはその比例係数の値に依存し、さらに存在する場合には時空計量の地平線上での微分可能性がその値で決定されることを示しました。ブラックホールを記述するよく知られた厳密解の計量は地平線上で解析的ですが、この結果は地平線上で計量が解析的にならない多様なブラックホールの配位が可能であることを意味します。

タイトル:Existence and absence of Killing horizons in static solutions with symmetries
著者:Hideki Maeda, Cristian Martínez
論文掲載ページ:https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1361-6382/ad8ea4