ニュース電子情報工学科

掲載日:2025.08.20

電子情報工学科の前田秀基教授とチリ共和国の科学研究センター(Centro de Estudios Cientificos)とサン・セバスチアン大学(Universidad San Sebastian)に所属のクリスチアン・マルチネス教授との共著論文がPhysical Review D誌に掲載されました。

時間変化しない静的時空では、時間並進対称性を生成するキリングベクトルのノルムがゼロになるキリング地平線がブラックホールの事象地平線(表面)などの重要な役割を果たします。この論文では2012年にGamboaによって導出された、平面対称性を持ち、圧力とエネルギー密度が比例する状態方程式に従う完全流体を物質場とするアインシュタイン方程式の厳密解の時空構造を明らかにしました。特にGamboa解がキリング地平線を持つ条件と無限遠方で真空解と同様に振る舞う条件を明らかにし、それらの条件の下で地平線を超えて延長した時空領域の可能な配位をすべて同定しました。その結果、時空全体は内部に特異点を含む通常のブラックホールか、ブラックバウンスと呼ばれる特異点を持たないブラックホールの構造を持つことがわかりました。

タイトル:Exact plane symmetric black bounce with a perfect-fluid exterior obeying a linear equation of state
著者:Hideki Maeda, Cristian Martínez
論文掲載ページ:https://journals.aps.org/prd/abstract/10.1103/lt5f-gqmw