ニュース電子情報工学科

掲載日:2025.12.22

2025年12月5日(金)、電子情報工学科の菊地 慶仁 教授が、白石高校にて出前講義を行いました。今回の講義テーマは「サイエンティフィックビジュアリゼーション(科学的可視化)の威力」。複雑なデータや目に見えない現象を、コンピュータグラフィックスを用いて「見える化」する技術の最前線について、熱のこもった講義が展開されました。

講義では、単なる技術解説にとどまらず、科学における「視覚表現」の本質について以下の3つの視点から解説がありました。

  • 計算結果の表示方法の変遷
    かつての数値データの羅列から、数表、グラフを経て現代の高度な3DCGに至るまでの進化の歴史を振り返りました。
  • 「見える化」で見えるようになる種々のデータ
    気流や熱などの計測値、プログラムの挙動、巨大なもの・極小なもの、超高速・超低速なもの、危険な物(地震や核爆発)、可視だけど構造が複雑すぎるもの、可視だけど3次元的に複雑な運動・位置関係にあるもの、などの情報を視覚的に認識することの重要性を具体例とともに紹介しました。
  • シミュレーションの一般的な特質
    現代科学に欠かせないシミュレーションが、現実世界をどのようにモデル化し、予測に役立てられているかを紐解きました。

講義後の質疑応答の時間には、生徒の皆さんから非常に鋭い質問が寄せられました。
「シミュレーションにはどのような計算機言語が使われているのか?」
「大学院での研究活動は、具体的にどのようなスケジュールで行われるのか?」
といった技術的な関心から、大学生活の実態に関する質問まで幅広く及び、菊地教授が一つひとつ丁寧に回答。専門分野への理解を深めるとともに、将来の進路選択について考える貴重な機会となりました。

本学では今後も、地域の教育機関と連携し、次世代を担う若者たちへ科学の楽しさと可能性を伝える活動を続けてまいります。