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掲載日:2026.03.09

次世代半導体メーカー「ラピダス」の北海道千歳市への進出を受け、道内の半導体産業の発展に大きな期待が寄せられています。一方で、業界における喫緊の課題となっているのが「人材不足」であり、道内の教育機関には半導体人材の育成強化が強く求められています。こうした背景のもと、本学工学部では、従来の座学を中心とした半導体教育に加え、今年度からより実践的な教育プログラムとして「半導体製造ミニ実習」を導入しました。本実習では、簡易的なPN接合ダイオードの作製を通じて、学生が半導体の仕組みを体感しながら学ぶことができます。

2026年2月27日(金)、森下宏美学長が工学部キャンパスをご訪問され、本学における実践的な半導体教育の視察として、この「半導体製造ミニ実習」を自ら体験されました。
約60分間にわたる実習体験は事前講義からスタートしました。ダイオードと抵抗器の違いやダイオードの内部構造に加え、安全に配慮した半導体製造のレガシー技術である「拡散法」について簡単な解説が行われました。続いて行われたダイオードの作製工程では、ゲルマニウム(Ge)ウエハにドーパント(不純物)の拡散源となるインジウム(In)をはんだ付けする作業に学長ご自身が挑戦されました(図1)。その後、アルゴン(Ar)ガス雰囲気下で550℃・20分間の加熱および冷却を行い(図2)、さらに亜鉛スズ(ZnSn)合金電極を超音波はんだ付けにて接合し(図3)、デバイスを完成させました(図4)。実習の最後には、完成したダイオードの実験評価を行いました。カーブトレーサーを用いて電流電圧特性を測定した結果、学長が作製されたデバイスは見事に「整流特性」を示しました。グラフ(図5)が示す通り、電圧が負の領域では電流があまり流れず(スイッチオフ=「0」)、正の領域では電流が良く流れる(スイッチオン=「1」)という結果が得られ、デジタルの「0」と「1」を作り出す半導体の基礎原理をしっかりとご確認いただくことができました。

ご自身で作製されたダイオード・デバイスは、記念として専用のケースに収め、お持ち帰りいただきました。お忙しい中、工学部の教育活動にご関心をお寄せいただき、ご訪問・ご体験いただきました森下学長に心より感謝申し上げます。工学部では、今後も地域産業のニーズに応えるべく、実践的な教育を通じて優秀な半導体人材の育成に尽力してまいります。

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参考資料:ミニ実習ワークシート

森下学長が工学部の「半導体製造ミニ実習」を視察・体験  〜北海道の半導体人材育成に向けた実践的教育〜

はんだ付け作業をする森下学長

森下学長が工学部の「半導体製造ミニ実習」を視察・体験  〜北海道の半導体人材育成に向けた実践的教育〜

雰囲気炉を運転する森下学長

森下学長が工学部の「半導体製造ミニ実習」を視察・体験  〜北海道の半導体人材育成に向けた実践的教育〜

超音波はんだ付けをする森下学長

森下学長が工学部の「半導体製造ミニ実習」を視察・体験  〜北海道の半導体人材育成に向けた実践的教育〜

実習で作製したデバイス

森下学長が工学部の「半導体製造ミニ実習」を視察・体験  〜北海道の半導体人材育成に向けた実践的教育〜

森下学長のデバイスが示す電流電圧特性