研究発表ニュース電子情報工学科

掲載日:2026.03.25

3月15日~18日に開催された第73回応用物理学会春季学術講演会において、本学卒業生の上田翔太さんが関与した研究成果を発表しました。

タイトル: 市販ZnO粒子膜を用いたZnO / GaN構造の電気駆動発光
発表者: 藤原 英樹,上田 翔太
発表日:3月17日(ポスター発表)
学会情報:第73回応用物理学会春季学術講演会(東京科学大学大岡山キャンパス、3月15日-3月18日)
講演会ページ:https://meeting.jsap.or.jp

光多重散乱に基づくランダムレーザーは、散乱体凝集などにより簡単に作製出来るだけでなく、無指向性、準単色性、低空間コヒーレンスというユニークな特徴により広範囲に強度ムラのない照明が可能となりますが、凝集体などの構造では電気駆動化が難しい点や、その不規則さによりレーザー発振モード(発振箇所など)を制御できないといった問題が存在します。この問題に対して本研究室ではこれまでに、水熱合成法という熱的な化学反応で半導体を合成する手法により、p型GaN基板上にn型のZnO粒子膜を合成し、電気駆動により発光するデバイスの作製に成功しています。しかし、本手法は高温のヒーターによる加熱作業や、数時間の反応時間がかかるなど、手軽に作製することはできませんでした。
そこで本研究では、市販のZnO粒子を水に分散したスラリー溶液を作製し、GaN基板に塗布するだけの簡単なデバイス作製法の提案を行いました。実験では、ZnO粒子分散スラリーをGaN基板に少量滴下した後、透明電極基板で挟み、圧着するだけの簡単な方法でデバイスを作製しました(図1)。その結果、電気駆動によるZnOからの紫外発光を確認しただけでなく、ZNOとGaN界面のpn接合に由来した非線形な電流―電圧特性の観測に成功しました(図2)。

第73回応用物理学会春季学術講演会において卒業生の上田翔太さんが行った卒業研究内容を発表

図1 試作したデバイスの写真.

第73回応用物理学会春季学術講演会において卒業生の上田翔太さんが行った卒業研究内容を発表

図2 市販ZnO粒子膜を利用した電気駆動発光デバイスの(a)電流-電圧特性と(b)電気駆動発光スペクトル.挿入図は発光の顕微鏡画像.