研究発表ニュース電子情報工学科
掲載日:2026.04.27

4月20日~24日にかけて開催されたThe 15th Advanced Lasers and Photon Sources(ALPS)において、本学卒業生の東海林真伎さん、佐藤寛太さん、大坂龍星さんが関与した研究成果を発表しました。
タイトル: Selective laser sintering of ZnO nanoparticles for fabricating small electrically-driven random lasers
発表者: Hideki Fujiwara, Masaki Shouji, Kanta Sato, Ryusei Osaka
発表日:4月22日(ポスター発表)
学会情報:The 15th Advanced Lasers and Photon Sources (パシフィコ横浜、4月20日~24日)
講演会ページ:https://alps.opicon.jp
光多重散乱に基づき動作するランダムレーザーは、散乱体の凝集などにより簡単に作製出来るだけでなく、無指向性、準単色性、低空間コヒーレンスというユニークな特徴により広範囲に強度ムラのない照明が可能となります。しかし、このような構造では電気を流すことが難しく、その不規則さによりレーザーを制御できないといった問題が存在します。この問題に対して本研究室ではこれまでに、水熱合成法という熱的な化学反応で半導体を合成する手法により、p型GaN基板上にn型のZnO粒子膜を合成し、電気駆動により発光するデバイスの作製に成功しています。しかし、本手法では基板表面全体にZnOの粒子膜ができるため、どこで電気が流れるかは確率的に決まります。このため、どこで発光するかわからないだけでなく、ここの発光スポットの電流密度を十分上げることができないといった問題が存在します。
そこで本研究では、p型GaN基板上にn型の市販のZnO粒子膜を作製した後、この粒子膜にレーザーを集光照射することで一部の粒子を焼結する方法を提案しました。レーザー焼結後、この粒子膜を洗浄すると、レーザーを照射した箇所のZnO粒子が残り、マイクロサイズのZnO粒子焼結体を作製できます。図1は、ガラス基板上にZnO粒子を焼結した結果を示しており、レーザーを照射した箇所にZnO粒子が残留することを確認しただけでなく、光学励起によってこの焼結体でランダムレーザー発振が誘起されることを確認しました。さらに、同様の実験をp型GaN基板上で行った後、この粒子焼結体に透明電極(FTO)基板を圧着し、電気を流してみると、図2に示すように、焼結体からZnOに由来した紫外発光が確認できました。また、電流電圧測定結果が非線形な挙動を示すことから、ZnO焼結体とGaN界面のpn接合に由来した紫外発光であることも確認しました。
現在はまだ高電圧が必要で、微弱な発光しか確認できていませんが、今後、レーザー焼結条件の最適化により、室内照明下でも目視可能な発光強度を示す電気駆動ランダムレーザーの開発を目指していきます。

図1 ガラス基板上にレーザー焼結したZnOナノ粒子焼結体の(a)レーザー発振スペクトルと(b)電子顕微鏡画像. 挿入図は発光の光学励起時の発光とレーザー焼結体の顕微鏡画像.

図2 ZnOナノ粒子を焼結したp型GaN基板に透明電極(FTO)基板を圧着した電気駆動用素子の(a)接着部の写真と(b)レーザー焼結体付近の拡大図、(c)同じ場所の電気駆動発光の写真.(d)電流電圧特性.



