ニュース電子情報工学科
掲載日:2022.11.28
以下の日程で「第2回 数理物理セミナー」を開催いたしました。
開催日
2022年11月18日(金)16:00~18:00 (120分)
場所
北海学園大学 豊平キャンパス3号館 2階 E20番教室
講演者
田中 洋平 (信州大学)
タイトル
On the real part of a chiral unitary
アブストラクト
カイラル対称性を持つ量子ウォークの時間発展作用素Uのスペクトルは、判別作用素と呼ばれる有界自己共役作用素Tのスペクトルとある種の対応を持つ。ユニタリ作用素UはTからは現れない「発生の固有値」を持つ場合があり、UのスペクトルをTのスペクトルと発生の固有値を用いて分類する手法はスペクトル写像定理(SMT)としてよく知られている。
SMTは有限グラフ上の量子ウォークの設定において様々な形で証明されてきたが、2019年にSegawa-Suzukiによって一般化され、カイラル対称性を持つ量子ウォークに対して応用が可能となった。
本講演では、Segawa-SuzukiのSMTを別の初等的なアプローチをもって再考する。判別作用素Tや発生の固有値は、時間発展作用素Uの実部に着目する事で自然な定式化が可能である事を示す事が本講演の目的である。
※本研究は Y.Matsuzawa 氏(信州大学)、M.Seki 氏(北海道大学)、K.Wada 氏(八戶高専)との共同研究である。
(世話人:船川 大樹)