ニュース生命工学科

掲載日:2023.11.08

図の説明:アルマ望遠鏡とジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で観測した約110億年前の銀河の観測画像。およそ27000光年というのは、天の川銀河の中心から太陽系までの距離に相当する。クレジット: ESO/C. Malin(アルマ望遠鏡)、ESA/ATG medialab(ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)、Tadaki et al.(銀河の観測画像)。

北海学園大学工学部の但木謙一准教授らの研究グループは、南米チリにあるアルマ望遠鏡と宇宙空間にあるジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を用いた観測によって、110億年前の宇宙にある銀河が猛烈な星生成活動によって銀河の核となる部分を作っている様子を明らかにしました。これまでのハッブル宇宙望遠鏡による観測では、銀河にある塵によって、星からの光が弱められるという問題がありましたが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡では、塵の影響を受けにくい近赤外線の光を観測できるため、この問題を解決することができました。さらにアルマ望遠鏡では、星の材料となる塵やガスから発せられる電波を観測することができます。2つの望遠鏡を組み合わせることで、銀河のどこに星があり、どこで星が作られているかをこれまでより正確に知ることができました。これらの銀河は、核が完成した後、やがて巨大な楕円銀河へと進化すると考えられます。

この研究成果は、アメリカ天文学会誌「Astrophysical Journal Letters」の957巻、論文番号15に掲載されました。なお、本研究は科学研究費助成事業・若手研究の助成を受け行われました。

タイトル:
Spatial Extent of Molecular Gas, Dust, and Stars in Massive Galaxies at z ∼ 2.2–2.5 Determined with ALMA and JWST

著者:
Ken-ichi Tadaki, Tadayuki Kodama, Yusei Koyama, Tomoko L. Suzuki, Ikki Mitsuhashi, and Ryota Ikeda

掲載サイト:
https://doi.org/10.3847/2041-8213/ad03f2