ニュース電子情報工学科

掲載日:2024.11.18

電子情報工学科の前田秀基教授とチェコ共和国・カレル大学のイエジ・ポドルスキー教授の共著論文がProgress of Theoretical and Experimental Physics誌に掲載されました。

空間が2次元しかない3次元重力はその単純さから量子重力の研究において非常に興味を持たれており、特に帯電した回転ブラックホールを記述する厳密解は詳しく研究されています。この論文では1993年にClementによって最初に導出された厳密解の時空構造を詳細に調べ、解の正しい物理的解釈を与えました。特にスカラー曲率不変量がすべて定数であるにもかかわらず、電磁場を伴って回転するこの時空の中心は曲率特異点であることを示しました。その結果これまでになされてきた主張と異なり、この解はブラックホールも正則な中心を持つ粒子的時空も記述していないことがわかりました。

タイトル:Extremal Rotating BTZ Black Holes Cannot Be Dressed in (anti-)Self-Dual Maxwell Field
著者:Hideki Maeda, Jiri Podolsky
論文掲載ページ:https://academic.oup.com/ptep/article/2024/11/113E03/7849773