出版物電子情報工学科

掲載日:2026.11.02

工学部電子情報工学科の菅原 滋晴 准教授と、2026年3月に同科を卒業した安藤 圭汰 さん(現:菅原研究室 OB)による共同研究論文が、電子情報分野を代表する学会である電子情報通信学会の査読付き論文誌C(エレクトロニクス)に採録決定し、オンラインで早期公開されました。
本研究は、安藤さんが在学中に菅原研究室の卒業研究として取り組んだ成果をまとめたものです。

■ 研究の背景と成果:入手困難な特殊素子を汎用部品で代替
金属や半導体の極低温での電気抵抗を、対象物に触れることなく精密に測定する手法としてトンネルダイオード発振器という技術があります。この装置の心臓部にはトンネルダイオードあるいは江崎ダイオードと呼ばれる特殊な部品が不可欠ですが、近年は製造中止などにより入手が非常に困難になっていました。
本研究では、現在でも安価に手に入る汎用トランジスタ(JFET)を組み合わせたラムダダイオードという回路に着目しました(写真)。室温(295 K)から絶対温度3.5 K(マイナス約270℃)という極低温に至るまで詳細に動作特性を測定した結果、液体窒素温度(約100 K)付近までであれば、発振器を駆動させるのに十分な性能(負性コンダクタンス)を維持できることを実証しました。

■ 今後の展望:高温超伝導体などの物性研究をより手軽に

今回の成果により、これまで特殊で高価な部品が必要だった極低温下での物性測定システムを、入手しやすい汎用部品だけで構築できる道が開かれました。
液体ヘリウムを用いた極低温域(数 K)での動作にはまだ課題が残るものの、比較的安価な液体窒素で冷却可能な「高温超伝導体」などの研究・測定系において、従来手法に代わる非常に有望な代替素子として活用されることが期待されています。

■ 掲載論文情報
タイトル: JFETラムダダイオードの低温I-V特性とトンネルダイオード発振器への適用評価
著者: 安藤 圭汰、菅原 滋晴
掲載誌: 電子情報通信学会論文誌 C(Vol.J110-C, No.4, 2027年4月発行予定)
論文リンク(早期公開):
https://search.ieice.org/bin/index.php?category=C&lang=J&curr=1#advpub
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本件に関する問い合わせ先: 北海学園大学、工学部電子情報工学科 菅原 滋晴 s-sugawara@hgu.jp