ニュース電子情報工学科

掲載日:2024.07.29

本学・藤原英樹教授と阪大・石原一教授、北大・笹木敬司教授の研究グループの共同研究成果の解説記事が一般社団法人ニューダイヤモンドフォーラムのNewDiamond誌に掲載されました。この解説記事は、以前に国際学術誌に報告した研究成果(こちらのプレスリリースを参照:https://eng.hgu.jp/archives/4060.html)の日本語の解説記事です。

タイトル:光の圧力による色中心含有ナノダイヤモンドの選別・分離
著者:石原一、藤原英樹、笹木敬司
掲載情報:NEW DIAMOND 科学解説 第154号、Vol.40、No.3、18-21 (2024).
掲載ページ:https://jndf.org/katsudo/kaishi/saishingo.html

本研究では、数百 nm(1 nm=10 億分の1 m)まで細くした光ファイバーが発生する光の力(光圧)を利用し、液体中を漂うダイヤモンドナノ粒子を一粒ずつ捕集するだけでなく、ナノ粒子の品質や特性に応じて選別・輸送する新技術の実験に初めて成功しています。この成果により、ダイヤモンド中の「窒素空孔中心(NVセンター)」と呼ばれる構造欠陥の有無を光の力によって判別し、ナノ粒子の動きを読み取ることにより単一粒子の高精度吸収分光計測にも成功しています。この技術を応用すると、選別した高品質のナノダイヤモンド粒子を利用したバイオイメージング、量子センサー、量子デバイスなどへの応用が期待されます。